
皆様こんにちは、ほーさんです。
今回は西原理恵子さんの『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』という書籍をご紹介していきたいと思います。
西原理恵子さんと言えば、あの『毎日かあさん』で有名な漫画家さんです。
その西原さんがご自身の娘さんが巣立っていく時に教えたことを、西原さん自身のエピソードを交えて書き綴っているのが本書です。
ほーさん自身は既に親元を離れて巣立った身なので、本書を娘視点で読ませて頂きましたが、大変勉強になりました🙂
正直、実の親に言われるよりもリアリティがありましたw
実際に言われると聞響かないんですよね、これが。
求めてもないのに一方的に言われ続けるアドバイス程面倒くさいものはないと言いますか😅
なので、自分の意思で「読んでみよう」と思って本を手に取った時がアドバイスの聞き時、刺さり時ですね。
これから一人暮らしをされる方は勿論、もう巣立ったけれどもこれからの人生を生きるヒントが少しでも欲しい方や西原さんのファンの方も。
全国の娘さんだけでなく、厳しい現代社会を生き抜いていくあらゆる方々にオススメしたいので、是非最後までご覧下さい!
それでは早速、行ってみましょう!
基本情報

この書籍の基本情報はこちら。
- 『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』
- 著者 西原理恵子
- 出版社 KADOKAWA
- 出版年 2017年5月
- ページ数 157ページ
- サイズ 19cm
- 価格 1100円+税
- ジャンル エッセイ
- 読了時間目安 約50分
言わずとしれた『毎日かあさん』の作者である西原さんですが、他にも様々な書籍を出版されています。
その一例がこちら。



どれもこれも、『毎日かあさん』でおなじみのタッチの表紙で手に取りやすいです!
親しみがあると言いますか。
全く知らない人の意識高い系の啓発本よりもずっと読みたくなる表紙で、ほーさんお気に入りです😄
気になった方は本書以外にもお手に取ってみて下さいね!
そんな西原さんの挿絵は残念ながら扉絵以外には見ることはできませんが、文章は行間が広く取られていて読みやすいです。
内容も悩める母親が子供に語るような書き方で、本を読んでいるというよりは親から人生論を聞いている気分になります。
でも、親から直接小言を言われるよりずっと内容が頭に入ってくるのではないでしょうか?
書籍なので自分のペースで話を読み進められますからね😉
読了時間ですが、これはほーさんが所見で読んだ時のおおよその時間です。
片道1時間の通勤時間を使って読み切れましたので、ページ数の割には内容がとても濃いと感じました。
これは…良書‼
どんな本?

本書は、第一章〜終章まで全7章構成となっています。
第一章では、反抗期を迎えた娘さんとの確執と乗り切り方を綴っています。
西原家の場合、ここに西原さんのお母様も参戦して女3世代間のバトルになるので、怖い怖い😅
唯一の男子、長男の息子さんの苦労も分かります😅
第二章は、西原さん自身が自立した時のエピソードについて。
ここでは巣立つ前の準備というか心構えについて学べます。
言うなれば準備運動の為の準備運動。
ですが、初めが肝心なのでなかなか感慨深いものがあります。
第三章では、娘さんに家を出る時に考えておかねばならないことが中心に書かれています。
ここで準備運動に入るわけです。
良くも悪くも急に現実が降り掛かってきますよ😐
心してお読み下さいませ。
第四章には、西原さんの元夫とのエピソードを交えて自分の身を守ることの大切さについて書かれています。
2人の小さな子供を抱えて奮闘した西原さんが教えて下さる心の護身術は物凄く説得力があります。
人生、戦うことも大事ですが逃げ足の速さも大切なのです。
第五章では、実際に巣立っていく娘さんに向けて綴られる母としての西原さんの思いが書かれています。
本書はそもそも157ページというボリュームで7章構成なので、1つの章はそれほど長くないのですが、この第五章は15ページと最も短いです。
ですが、この短い中に面と向かって言えなかったであろう、最愛の娘さんへのエールが丁寧に紡がれています。
心が温かくなりました😄
第六章は、ここまでのまとめです。
女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと5選がここに書かれています。
タイトルの伏線回収の章です。
こう書くと「じゃあここだけ読めばいいね」と思う方がいらっしゃいますが、それはあまりに勿体ない。

デラックスパフェに長いスプーンを突き刺して最下層のスポンジ生地とシロップだけ食べて残すようなものですよ。
パフェは上から食べていって初めて下層にあるスポンジ生地やコーンフレークやシロップの存在を心から味わえるのですから。
本も同じです。
最初から読んでいって初めてまとめの醍醐味を深く味わえるものですから、是非最初から最後まで読み進めていって下さいね😋
終章は、「女の子たちの〈エクソダス〉」という小見出しで、西原さんがアルバイト先のパブのママから聞いた貧困から賢く華麗に抜け出したフィリピン女性のエピソードが綴られています。

個人的にはこの章が一番好きです!
エクソダスというのは、聖書の「出エジプト記」に書かれている言葉で、多数の人間が国境を越えて国を脱出することです。
日本語で一番近いのは「亡命」でしょうか(大量というニュアンスはありませんが)。
本書の場合だと、「貧困からの脱出」ということでエクソダスという言葉が使われていると思います。
いやー、このフィリピン女性の話は何度読んでも素晴らしい!
目先の利益、最短で得られる成果にとらわれなかった母と3人の娘の努力の勝利とも言えましょう。
しかも、最後には主人公の女性も3人の娘も全員幸せになっているのですから、驚きです(大体こういう成功エピソードは誰かもしくは何かが犠牲になるパターンが多いです)。
ほーさんもこの話を心に、今よりもいい暮らしにしていきたいものです😌
このエピソードについてはこの記事では深く触れないので、是非ともお手に取ってご覧下さいませ。
ここを読んでほしい! ポイント4選
王子様を待たないで

何と、第一章が始まる前に飛び出した名言です。
「王子様を待たないで。社長の奥さんになるより、社長になろう」
西原理恵子『女の子が生きていく時に、覚えていてほしいこと』
まだ本格的な話が始まってもいないのに、いきなり心に刺さる言葉が登場しました。
つまり、「自分で成功を掴んで自分でお金を稼げるようになろう」ということです。
本書の核が最初に出てくるとは、読者の心を掴むにはバッチリな言葉でしょう。
これを西原さんは言葉を変えて何回も本書の至る所でこの本質を語って下さっています。
お寿司も指輪も自分で買おう。その方が絶対楽しいよ。
西原理恵子『女の子が生きていく時に、覚えていてほしいこと』
大事なのは、自分の幸せを人任せにしないこと。
そのためには、ちゃんと自分で稼げるようになること。
西原理恵子『女の子が生きていく時に、覚えていてほしいこと』
つぶれない会社、病気にならない夫はこの世に存在しません。
西原理恵子『女の子が生きていく時に、覚えていてほしいこと』
長い人生、決して自分の力だけでは生きていけません。
困った時には誰かが助けてくれるかもしれません。
渡る世間に鬼はなし、という諺が日本にはあるくらいですからね😌
ですが、白馬の王子様は現代には存在しません。
それこそ「つぶれない会社」や「病気にならない夫」よりも希少種でしょう。
「IT社長や石油王ならいるじゃん」という声もありそうですが、果たしてその社長や石油王は貴方を眼中に入れているでしょうか?
仮にそういった高所得層の男性と知り合ったとしても、貴方はその人と結婚して何かメリットを相手に与えることができるでしょうか?
おそらく答えに詰まりませんか?
もし、高給取りの旦那様の心を見事射止めたとしても、やはり一生相手が稼げるかは分かりません。
それこそ病気になって出世街道から外れたり、リストラの対象に目をつけられたり、経営していた会社が倒産して借金を背負ったり。そんな「まさか」がないとは言い切れません。
離婚という線もリアルにあり得る話ですしね。
そして、どんなに有能な人もいつかは必ず死にます。
そう考えると、合コンやお見合い相談所に通い続けて玉の輿を狙うよりも自分で勉強してキャリアウーマンとして稼いだり起業したりして商売を初めて儲けたりする方が余程勝算があるのではないでしょうか。
年収1000万円稼ぐ! とまでいかなくても、まずは1人で食べていける分だけを自分の稼ぎだけで目指していきたいものです😐
プライドでメシは食えない

要らんプライドをへしおられて、目が覚めてからが本当のはじまり。
じゃあ自分にできるのは何なのか、初めて次の一歩を具体的に考えることができた。
西原理恵子『女の子が生きていく時に、覚えていてほしいこと』
第二章での西原さんの名言です。
「自分の立ち位置を正確に把握できてからが自立の第一歩」というわけです。
西原さんの場合、美大に入る為の予備校の時点で成績が最下位だったそうです。
美大に入った後も自分より才能も腕もある人ばかり。
生活費を稼ぐ為に始めたアルバイトも出版社への持ち込み活動も失敗続き。
普通ならここで盛大に凹んでしまいますが、西原さんは違います。
予備校の成績が最下位だったことで、「自分と相手の実力の差を測ること」が得意になったと本書で語っています。
自分の実力を客観視できたというわけですね😌
そして、そこで最下位なりに勝負できそうなことは何かと考えた結果、アダルト本業界でカット(挿絵)を描いていくことに決めたそうです。
西原さんは「何でもいいから絵を描いて、食べていくこと」、この目標を明確にしていました。
才能ある美大生がいなさそうな場所がアダルト本業界だと目をつけた西原さんは、実際そこで褒められて沢山仕事を貰ったそうです。
そう、「ライバルが少ない道を狙いすまして歩んでいく」という答えに辿り着いたのです。
実際西原さんもこのように本書で仰っています。
道はひとつじゃない。人生にはけもの道があるんですよ。地図には載っていない道が。
西原理恵子『女の子が生きていく時に、覚えていてほしいこと』
思い返してみれば、自分自身も割とけもの道を進んでいるように感じます。
ほーさんは大学でフランス語を学んで専門学校でお菓子を学んで社会に出ました。
パティシエール志望だったので、何処かのお菓子やさんで修業を積んでフランスに留学に行き、帰国して自分の店を持ったり有名なお菓子屋さんで腕利きのパティシエールになったりするのが、王道と言えましょう。
でも、実際は入社4ヶ月で製菓業界から抜け出して登録販売者の資格を取ってドラッグストアで働いています。
「フランス語もお菓子も関係ないじゃん!」とよく言われますが、観光地が近いので免税客がひっきりなしに来店するので、毎日のように英語を使っています。
外国語学部でしたので、どんな言語を専攻しようとも英語は問答無用でついてきました。
また、専門学校では製菓衛生師という国家資格を取得したので、その時に学んだ食中毒や食品添加物、栄養学の知識はドラッグストアでお客さんと話をする時に何度も使いました。
学生時代に学んだことは無駄ではなかったのです。
フランス語とお菓子を勉強した小娘が外国人だらけのドラッグストアで働くだなんて誰も想像していなかったでしょう。
ほーさん自身も想像していなかったのですから。
きっとこれもまた、けもの道の1つと言えましょう。
家賃をシェアするべからず

ひとり暮らしの家賃とそれに見合う月収というのは、自立のバロメーターです。
西原理恵子『女の子が生きていく時に、覚えていてほしいこと』
この名言は第三章で披露されました。
一番現実味を帯びている章であるだけに、言葉も厳しめです。
この章の冒頭で西原さんは娘さんに「家を出たいって言うんなら、ちゃんと考えなさい」と忠告しました。
ちゃんと考えろというのは、家賃や生活費、携帯代といった生活費が月にいくらかかるか、それらを支払う為に必要な月収はいくらになるのか、ということです。
現実を叩きつけられるわけです。
生活費というのは、自立する上で最低限払わなければならないお金、いわば自立のスターターキットです。
スターターキットすら自分で払えないのであれば、今は巣立つ時ではないということです。
言われてみればそうですよね。
ウェアも道具もリフトチケットも買えないのにスキーをしたいと言っているようなものですから。
「じゃあ誰かと住んで家賃とか電気代とか割り勘にすればいいじゃん?」という発想に至ったら赤信号‼
これは西原さん自身が痛い目をみています。
貧乏人でも2人集まれば何とかなると思って、当時付き合っていた男性と同居を始めた西原さんですが、あろうことか相手は家にお金を入れるどころか西原さんの財布からお金を抜いて遊び回る人でした。
所謂ヒモ男です。
追い出すにも自分1人の稼ぎでは家賃すら払える状況ではなかった西原さんは、結果5年間もその男性と離れることができませんでした。
5年かけてヒモ男をきちんと清算した後、西原さんがまた1つ名言を発します。
自由ってね、有料なんですよ。(中略)自分で働いて、お金を稼ぐっていうのは、そうやって、ひとつひとつ、自由を勝ち取っていくことなんだと思います。
部屋をシェアする相手が悪かったということもありますが、仮に相手が自分で稼げる男性だった場合、自分が家賃すら払えなければきっと経済的に相手に依存していることでしょう。
その場合、捨てられたら一巻の終わりです。
いつでも悪いパートナーと縁を切れるよう、そして逆にパートナーに捨てられても大丈夫なように自分の支出は自分で支払うのが自立の鉄則ですね😌
その前に親からの巣立ちをシェアハウスから始めないことが一番かもしれませんね。
複数の夢を持つ

費やした時間とかかった費用のもとをとろうとして、ひっこみがつかない状況を「コンコルド効果」っていうようになったんですと。(中略)夢もおんなじ。ここまで頑張ったんだからと思うと、やめるにやめられない。
西原理恵子『女の子が生きていく時に、覚えていてほしいこと』
第六章で出てくる名言です。
結論から言うと「将来に繋がる道を自分で塞いではいけない」ということです。
リスクも夢も分散させるが吉なのです。
コンコルド効果の分かりやすい例がクレーンゲームでしょう。
いくらお金を入れても景品が取れなければそれまでの時間と苦労は無駄に終わる、だから景品が取れるまでやめられない。
この状況、身に覚えがある方も多いのではないでしょうか?
ゲームならば店員さんのアシストで取れやすくしてもらったり、取れなくてもせいぜい1、2万円の出費で済みますが、夢はそうもいきません。
1つの目標に向かって一心不乱に猪突猛進するのは一見良さそうですが、もし夢破れた後が大変です。
しかも、最初から決めた夢がそのまま叶うことはかなりのレアケースです。
前述したほーさんの場合でも、パティシエールになるという夢は小さい頃からの十数年の夢でしたが、たった4ヶ月で夢破れました。
自分の頭の中で描いた夢というものは、いとも簡単に崩れるものです。
それでも、1ヶ月のニート期間を経て割とすぐに登録販売者に転身できたのは、セーフティーネットを張っていたからだと思っています。
「これがダメなら次はこっちに行こう」「それもダメならあっちの道に進もう」といった具合に常にプランB、Cを用意しておきましょう、と西原さんも考えているようです。
どんな時でも、次の一手は、自分で考えて、自分が選ぶ。
西原理恵子『女の子が生きていく時に、覚えていてほしいこと』
第一志望はそのままに、自分が納得できる形で保険をいくつか掛けておくのが最善の人生の歩き方なのだと思います。
自分にはここしかない! と他を一切見渡さないのはまずいかもしれませんよ。
こんな方にオススメ!
- 一人暮らしを考えている方
- 将来が何となく不安な高校生や大学生くらいの方
- もうすぐ自立を迎える子供さんに何か役立つことを教えたい親御さん
- 既に自立したけれども、人生のヒントを得てみたいと思った方
タイトルに「女の子が〜」とありますが、男性にも是非読んでほしい1冊です。
生きていく戦略や次の一手を考える必要があるのは男性も同じですし、視点を逆転させて「お金目当ての女性の手を握らない考え方」「ヒモにならずに自分で人生を歩む方法」を学ぶこともできるでしょう。
自立して生きていかなければいけないのは男も女も同じです。
おわりに

今回は西原理恵子さんの『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』という書籍についてご紹介致しました。
何はともあれ、今の時代は男女問わず「自分の手で稼いで、自分の足で自分の人生を切り開いていく」ことが重要です。
社会人を3年やって既にしんどさを痛感しているほーさんですが、自分で家賃を払って自分で好きな部屋を決めたあの日の喜びを忘れていません。
自由は有料、自分の手で勝ち取っていく、ここに喜びを見出すことができたならば将来もそんなに暗いわけではないと信じています。
もっと西原さんの素敵な言葉を読んでみたい方は是非この本を読んでみて下さいね😄
また次回の記事でお会い致しましょう。
それではっ!
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